ワインの勉強を始めて30年以上となるのですが、ワインスクールも複数受講し、家族も酒屋家族、夜遅くまで自宅で試飲したりブラインドティスティングしたり(銘柄を隠して試飲する試飲)、考えてみると常に "ワインの試飲" が人生の中心だった気がします。
味でワインを選ぶと、産地に関係なくとてつもない美味しいワインに手頃な価格で出会えたりするのです。
が、ワイン通の方が大好きな「ピノ・ノワール」という品種だけは違いました。
お値段はお値段なり…
フランスのブルゴーニュがその代表的な産地ですが、単一品種でワインは造られるため、土地や作り手で微妙に違う味わい。
「美味しい…..」と感銘を受けたブルゴーニュワインは、やはりお値段はそれなり、数万円クラスのものばかりでした。
たまには例外もないわけではないのですが、本当に美味しいと思えるものは、かなりお値段が高く、とても難しいと感じていました。
が、カリフォルニアワインが世界的に注目された1976年のパリティスティングの頃から、ナパヴァレーではピノ・ノワールの栽培が始まり、映画「サイドウェイ」では、美味しいピノ・ノワールに出会うストーリーで、カリフォルニアピノ・ノワールが大ブームとなりました。
ブルゴーニュに比べ、果実味のしっかりしたものが多く、空前のカリフォルニア ピノ・ノワールブームが起きました。
カリフォルニア大学ディビス校の研究と指導により、ナパ・ヴァレーのピノ・ノワールはブルゴーニュと並んで世界的に評価されるようになったのです。
しかし、ブルゴーニュ以上に価格も高騰したものも多く、美味しいピノノワールを手頃な価格でご提供することは至難の業でした。
そんな時に出会ったモントレーのパライソ葡萄園のリチャードさん。
彼が造るピノ・ノワールは、とてつもなく美味しく、そしてとんでもなく安い…なぜ?
「それは、私達がぶどう農家だから。
このピノ・ノワールは有名ワイナリーに卸すので、ワイナリーが造ったピノ・ノワールは数万円です。
でも、農家の私達が造れば手頃な価格で出来るのです。」
「ナパにそんなぶどう園はないのですか?」と、リチャードさんに聞くと、
「ナパのピノ・ノワールの品質向上に貢献している、マホニーぶどう園のマホニーさんに会いに行きなさい。」と、ご紹介下さったのです。
マホニーさんはナパヴァレーの中でも冷涼な区画「カーネロス」でピノ・ノワールの栽培を行うぶどう農家。
カリフォルニア大学のディビス校の為に、すべてのクローンを植え、ピノ・ノワールの研究を行い、自社の葡萄だけでなく地域のピノ・ノワールの品質向上に貢献してきた「カリフォルニア ピノ・ノールの権威」でもあるのです。
マホニーさんの葡萄は、ワインマニアがこぞって買う、数万円、数十万円する、有名なワイナリーの卸されます。しかし、本当に良いピノ・ノワールは、マホニーさん自らの名前のついたワインとなるのです。
マホニーさんのピノ・ノワールを25年前に口にした時、涙が出ました。
こんなにも美味しく、奥深く、しかもフルーティなピノ・ノワールがあったのかと。
正直、ナパの有名ピノ・ノワールは甘すぎて苦手なものも多く、「やっぱりブルゴーニュの高級ピノ・ノワールでなくては」という気持ちがどこかにありました。
でも、マホニーのピノ・ノワールは、ブラインドティスティングで飲んだソムリエ仲間が、皆、ブルゴーニュのかなりの高額ワインと間違える程だったのです。
価格じゃない。
国でもない。
人なのだ。
私にワインの真髄を教えてくれたのが、マホニーヴィンヤードのワイン。
量が少なすぎて、また、片腕のワインメーカー、ケンフォスターと二人で葡萄の樹の手入れをしているため、なかなか来日して頂けることもない蔵元ですが、私のワイン人生も、ヴィノスのワイン人生も変えた運命のワインなのです。
「ヴィノスさんのワインは、カジュアルで一般受けするワイン」と、良く「誉め言葉?」として言って頂きますが、マホニー・ヴィンヤードのワインが登場してから「ブルゴーニュワインのプロ」のお客様が増えたのです。
そんな運命のマホニーさんのワイン、是非お試し下さい。
マホニー カーネロス ピノ・ノワール 2020|ヴィノスやまざき|ワイン通販
マホニー シャルドネ ギャヴィン・ヴィンヤード 2019|ヴィノスやまざき|ワイン通販
歴史に名を残す、マホニーさんの自信作です。
ヴィノスやまざき
ファウンダー
種本祐子