雨の中で咲く紫陽花がとても美しい季節になってまいりました。気が付けば早いもので、年の折り返しとなりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。
ヴィノスやまざきでは暑い時期に美味しい、毎年人気の「夏ヌーヴォー」のご予約を開始いたしました。今年は世界初！？となる、ウルグアイのヌーヴォーをリリースいたします！他では手に入らない、ぜひお早目のご予約をお待ちしております。

今月のマスター・オブ・蔵直Ⓡ赤ワインコースは、蔵直Ⓡイタリアワインを代表する蔵元が、珍しい品種で造ったオーナー自身の名を冠するトップキュヴェをお届けします。

入荷の関係でお引き渡し開始が遅くなり、大変申し訳ございませんでした。

赤：マルケサート　マウリッツィオ・フゼッリ　

ストーリー

今から10年前。イタリアのワイナリーを数十件まわったにも関わらず、なかなかコスパの良いワインに出会えなかった買付の旅の道中。ローマ郊外にある、地元で評判のレストランで食事をしていた時のことです。

その店で一番おすすめの赤ワインをお願いして出てきたのが、テッレ・デル・マルケサートが造る「エミリオ・プリモ」というワインでした。
サッシカイア等、名だたるボルドータイプのワイン「スーパータスカン」で有名なボルゲリ村で造られているとのこと。

一口味わうと…そういった有名ワインにも負けないポテンシャルが感じられるにも関わらず、価格がとても安い！
早速蔵元を訪問するため、トスカーナの北西部にあるボルゲリ村を訪れました。

訪問前にボルゲリ村のワインショップをめぐってみるとビックリ！なんとその店で一番売れていたのは、世界的に有名な名だたるワイナリーではなく、あの「エミリオ・プリモ」だったのです！

マルケサートが所有する畑は、1954年にオーナーのマウリッツィオさんの祖父エミリオさんが、ボルゲリの大地主マリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵から買い受けた区画。
あのサッシカイアで有名な「サングイードぶどう園」の区画でもあります。

右側がマルケサートの区画ですが、ぶどう栽培に向かないと思ったらどんなにいい場所に合ってもぶどうを植えないこだわり！

マルケサートはその地域のお客様に販売するために少量のみを造っている、言わば家族経営の蔵元。
少し話しただけで、ヴィノスやまざきと「似ているね」と話がはずみ、家族のようにお付き合いするようになりました。

実はマウリッツィオさん（京都店のオープンの際にも駆けつけてくれました！）は、23歳の若くして熟練の農家として稼業（当時は農家）で活躍していました。
彼の技術はボルゲリではすでに知られており、ティニャネロ（約2万円）とソライア（約5万円）で知られるアンティノリ家のピエロ・アンティノリから、後のグアド・アル・タッソ（約2万円）にぶどうを植えるように呼ばれたほどでした。
彼はその栽培に関わる知識と経験は、アンティノリの信頼を勝ち取り、生産マネージャーに就任。

10年間に渡り、世界のワイン造りの専門家や、ワイン造りの歴史ある一族と交流を持ち、その結果、彼の知識と経験は世界的なレベルへと引き上げられたと言います。
それと同時に自分自身のプロジェクトに挑戦したいという欲求も高まっていき、稼業にて自身のワインを造ることとなりました。

自然な栽培を用いる他、選果・間引きを徹底して、より濃縮したぶどうに仕上げています。一つ一つのこだわりよう…当店の人気蔵元である、ボルドーの「シャトー・ムーラン・オーラロック」や、ラングドックの「シャトー・レゾリュー」と同じフィロソフィーを感じとりました。

初めて出会った時は高校生だった息子のアレッサンドロさんが後継者となり、今は親子で有名ワイナリーに負けない品質のこだわりワインを造っています。
小規模ながらも実力派の蔵元です。

オーナーで醸造家のマウリツィオさんによって1998年に植えられたプティ・ヴェルドがついに熟し、醸造される準備が整いました！
このような頑強なぶどうから素晴らしいワインを造りたい、という醸造家の願いから生まれた一本。
その仕事が長くて困難であることを承知していながらも挑戦をした彼自身の名前が付けられています。

このぶどうの特徴である並外れたポリフェノールの豊富さとタンニン（渋み）のテクスチャー、それらのエレガントなバランスがついに達成されました。

そんなワインを造るマルケサートから、メッセージが届きましたので、ぜひご覧ください。

商品詳細

【マルケサート　マウリッツィオ・フゼッリ】

ぶどう畑、セラーでの厳重な選別により、品質の高いぶどうのみを使用します。
1週間をかけてフレンチオークの新樽で発酵を行いました。
約18か月間の新樽熟成を行い、その間に渋みを柔らかくするために必要な乳酸発酵（マロラクティック発酵）も行われます。
木樽での熟成後、瓶内にてさらに12 か月熟成され、ようやくワインが完成しました。

味わい：紫の反射のある強いルビーレッド色。ベルガモットやブルーベリーなどの黒い果実の香りを中心に、コショウなどのスパイシーさ、ココアなどの複雑な印象。構造がしっかりしていて、温かいワインで、美しいフレッシュさがあります。ビロードのような、包み込むようなタンニン（渋み）は長期の熟成ポテンシャルを予感させます。
蔵元：マルケサート
産地：イタリア　トスカーナ　ボルゲリ
品種：プティ・ヴェルド100%
ペアリング：ニョッキ・ボロネーゼ、イノシシや野ウサギなどのジビエ

最後に、次回７月のお引き渡しは、７月１５日（月）の開始を予定しております。

入荷の関係で引き渡し開始日や、引き渡し商品の変更が生じる場合がございますので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

それでは、来月の蔵直Ⓡワイン定期便でお会いしましょう！