エスプリ・デスチュエール 2019
ESPRIT D'ESTUAIREテイスティングコメント
蔵直®ストーリー
「ボルドーの1級シャトーに負けないワインを造る!」農協職員の夢ワイン
ユニ・メドックとは「メドックの農協」のこと。一般的に、農協ワインは安いけどそれほど品質が良くないイメージがあるのに、何故こんなにも長年輸入しているのか・・・
1995年にボルドーの有名産地であるメドックを訪れました。メドックには世界の名だたる高級格付けシャトーがあります。後学のために数件巡りましたが、「美味しいけど高すぎて毎日飲めないな・・・」と、思いました。
高級シャトーのガイドさんに「あなたたちは、毎日どんなワイン飲んでいるの?」と聞いたところ、メドックの一番北にあるバー・メドック地区の農協を紹介してくれました。バッシェさんというボルドー大学を卒業した青年醸造家が造るワインは、近所の高級シャトーの従業員までもが買いにいく程人気とのこと。
実際にバッシェさんに会い話を聞くと、「大学の友人はボルドーの有名シャトーの息子たちばかり。私は農協の一職員だけど、いつか有名シャトーに負けないワインを農協で造るんだ」と、目を輝かせていました。
彼は、180軒もある農家に対し、ワインを造る代わりにぶどうの栽培を徹底させました。そして、良いぶどうができたら農協が買い取り、バッシェさんが醸造を行う、という方法に切り替えました。
ボルドー格付けワインの1/10以下の価格で、しかも180軒もの農家の内、どこかが良いぶどうを提供してくれるため、安定した品質を保つことができます。
彼のワインを飲むと、ふくよかで完熟した黒い果実の深い味わい、そこに複雑に絡み合う旨味・・・バッシェさんの真剣な眼差しをいつも思い出します。グラン・ヴァンを飲んでいた方にこそ、このワインを飲んで欲しい。そんな思いでお客様にお届けしています。
あれから30年近くたち、バッシェ青年は立派な匠の醸造家になり、今も私たちにこだわりのワインを届けてくれています。
30年前に出会った無名の農協のメチャ旨赤!