え、何、このワイン美味しい。洗練された酸味とバランスのよい果実味。
ブルゴーニュの特級畑のワインですよね。もしかしてロマネコンティ社のワイン??え?嘘!まさかそんなところでワイン造っているなんて。
これは、実際、ワイン会でのお客様のご感想の言葉。私自身も始めてここのワインを口にした時に、同じような感想を持ちました。
このワイン、何と、世界最南端の南米大陸の先にある、パタゴニアというところで造っている「オトロニア」というワイン。
ウルグアイワイン「ガルソン」のオーナーから、「凄いワインを、パタゴニアで造る」という極秘情報を数年前に伺い、届いたのが、オトロニア。
お客様も、社内のワインに厳しい先輩方も、皆が驚いたこのワイン、どうしても実際に造っている所を訪問したく、南米の最南端のパタゴニアに買い付けに行ってきました。
アルゼンチンのメンドサまでが、日本から約30時間、それから飛行機と車を乗り継いで6時間。
直前までの大雪で、現地にたどり着くのも大変でした。
極寒のパタゴニアは、とてもワインを造れるところとは思えず、海を眼にやると、何と、その先は南極大陸なのです。
まじかよ・・・南極じゃん。
しかし、ここが凄かったのです。
実は極寒の地ではありますが、強い日差し、そしてワインに欠かせないきりりとした酸をこの低温度が産み出しているのです。
しかし、風が強すぎて、実際の葡萄作りは本当に大変そうでしたが、葡萄にネットをかけ風から守り、何より、ここで良いワインを造りたいという、若い醸造チームの情熱が凄い。
この土地で、世界最高のワインを造る、と、集まった若手チーム
「注目の若手ワインメーカー」と、世界的な有名なジャーナリストから選ばれたパブロ
さらに、南米最高峰のワインガイド「デスコルチャドス2022」では、年間最優秀ワインメーカーにも選ばれたのです。
しかし、かれだけではなく、セラーマスター、栽培責任者、過酷な中でのチーム力が何より凄い。
そんな彼らの造るワインが到着しました。
上質な酸味、チェリーやラズベリーのような洗練されたピュアな果実味、奥行きのある余韻を感じさせる味わいです。
白桃やライチを感じさせる華やかな香りと果実味、ミネラル感もありハーブの風味、複雑味のある味わいは一度飲んだら印象深い味わいです。
①南極に最も近い極寒の地で、厳しい環境で造られたワインだからこそ、奥行がある余韻の長い果実味
風も強く、乾燥して葡萄が病気になりにくいので、結果として良い有機ワインが育つ
②今話題のワイン「ガルソン」のオーナーが、最高のワインができる土地を探し当て、醸造設備や大樽のフレンチオークなど、設備もトップクラス
③新しい、しかも無名の地で最高のワインを造るという、チーム全員のパッションと団結力
そんな「オトロニア」を訪れて、胸にぐっとくるものがありました。
南極大陸を目にして、私ごとながら、自分の父は、かつて南極観測隊として南極に足を踏み入れたのだ...
おやじとは違う、と、反発して頑張ってきたつもりでしたが、まだまだ親父は超えられない。
私も、オトロニアのチームのように、どんな厳しい環境下でも仲間と一緒に、お客様のために最高のワインをご提供できる買い付け隊になろう。
そんなことを、南極大陸に誓いました。
南極観測買い付け隊長
福井謙一郎