静岡産ワインなんて、聞いても鼻にもかけなかった・・・
私は山梨生まれ。
幼い頃から山梨の国産ワインに囲まれて育ち、ワインに興味を持って、大学では「ワイン法」を専攻。
ヴィノスやまざきに就職し、なぜか新静岡セノバ店に配属になった。
ワインのマーケットなら東京でしょ・・・と、赴任当初はちょっと馴染めなかった静岡。
でも、魚も酒も美味しいし、静岡のお客様はブランドではなく味でワインを選ぶということも知って、大変勉強になりました。
そんな中、今年ヴィノスやまざきが、静岡産のヌーヴォーをやると言う・・・
え、山梨じゃないの?地元をよいしょしているの?何でも静岡産って付ければいいと思っていない?あ、CSRというやつね。はい、分かりました・・・
内心そんな複雑な気持ちで、鶴見ソムリエについて、御殿場高原に出来たぶどう畑に行ってみると・・・
え?ここは静岡?
御殿場の山奥に突然現れたぶどう畑は、まるでヨーロッパの銘醸シャトーの畑のよう・・・
醸造所にあるというヌーヴォーは、まだ樽の中に入っている。
山梨でも、新酒を樽で熟成するというのは、あまり聞いたことがありません。
なぜなら、新酒は薄くて、樽熟成に耐えられないのです。
しかしなんと、有名シャトーも使用するような、現地フランスでもトップクラスのフレンチオーク樽で熟成しているというではないか・・・
おそるおそる試飲をすると、
旨い・・・
もう山梨とかフランスとか、そんなことはどうでもいい。
フレッシュで果実味たっぷりで、そこに新樽の旨味がきれいに調和している・・・
このぶどう園で獲れたぶどうから造るワインは、今年初めてのリリース。
畑を造り、醸造所を造ったのは、なんと80代のカリスマ経営者。
地元・静岡で食肉の会社を起業し、今では全国的な企業となりました。
今は経営は人に譲り、いつも新しいことに挑戦する彼が、数年前から取り組み始めたのが、ワイン造り。
弊社社長の種本が以前からの知り合いで、お互いの起業家魂で意気投合。
「ワインが出来たらヴィノスに一番に声をかけてください・・・」と種本がお願いして、今回初めてヌーヴォーが出来たのです。
また、山梨の有名ワイナリーのお嬢さんがワイン造りを始める時にも、色々な支援をしたらしい。
なので、今回の醸造指導も、山梨トップクラスの醸造チームがお手伝いしているとか、していないとか・・・
そんな、山梨と静岡を結んだワイン。
ワインは産地ではないと証明してくれたワイン。
これを売るのは自分しかいない・・・と、思いました。
自分が静岡に赴任したのは3年前。
この畑にぶどうが植えられたのも3年前・・・
もしかすると、このワインのために、自分は静岡に配属になったのでは・・・と思いました。
2樽しかないので、すべて静岡の店舗で販売したいところですが、全国のお客様にも初の「静岡産ヌーヴォー」をお披露目したく、わずかですが各店舗やWEBショップでもお申込みが出来ます。
ぜひ、歴史をかえるかもしれない「静岡産ヌーヴォー」をお楽しみください。