2016年11月中目黒店がオープンしました。
駅を降りてすぐのシティベーカリーさんのすぐお隣。
東急電鉄が、高架下を飲食店街にする開発の時に、仲間に入れて頂きました。
が、中目黒店は、もっと前から別の場所で営業していたのです。
駒沢通りと山手通りとの交差点のビルで、家具屋さんがライフスタイルを提案したいとお話を頂き、一階にパン屋さんやアイスクリーム屋さんと共に5年間くらい営業していました。
が、現在のニトリになるにあたり、お店を閉めなくてはならなくなったのです。
駅から遠く、決して良い場所ではありませんでした。
まわりのパン屋さんやアイスクリーム屋さんが退店していく中で、単独で頑張って、地域のお客様との絆も深まり、さあ、これから、という時。
どうしてもテナントでお店を出していると、先方の都合で退店しなくてはならない時があります。でも、ヴィノスやまざきは、そこで出会ったお客様達とずっと一緒にワインを育てていきたい、という想いで、退店する場合には必ず近くに「お引越し」先を探します。
中目黒は人気の駅で、なかなか空き物件のない時に、まさかの高架下のお話を頂きました。
お話を頂いた先方の担当の方は、何とヴィノスの長きにわたるお客様。
私達以上に熱心に会社を説得して下さり、駅前の良い場所で中目黒店を再開することが出来たのです。
初代の店長は、当時は珍しかった女性店長。
創業「4代目」と言われていわれた児玉店長でした。
学生の頃から両親と生産者の畑をまわり、大学生時代はワイナリーにホームスティをしながらワインに親しみ、ヴィノスやまざきに入社するのだろう、と、誰もが思っていたのに、選んだ道は銀行員。
ヴィノスやまざきには銀行から転職する形で入社しました。
が、当時のヴィノスやまざきは、「どんなキャリアのある人も、最初はアルバイトから入社して店舗での試飲販売からスタートする」が掟でした。
ちょうど、北千住ルミネの通路でワインのコーナーを一台だけ頂いた時のアルバイトとして入社。
その後正社員試験を受け、社員になり、コレド室町店に勤務し、その後店長試験を受け中目黒店の店長になりました。
「商人は偉くなってはいけない。常にお客様に仕える者でなくては」という、先々代からの教えの元、「後継者なら役員として入社しては?」という回りの意見を退け、ヴィノスの伝統のもと、アルバイトから入社して店長になった初めての店が中目黒店。
「中目黒店の創業者の想いで頑張る!」と、近隣の飲食店様等ともネットワークを作り、中目黒店は軌道にのることが出来たのです。
現在でも、近くのお店にふらりと入ると、ヴィノスのワインや日本酒がメニューに掲載されていて、地域に密着した中目黒店となりました。
飲食店様のメニューによく掲載されているのが、「テラマター」という、チリのワイン。
テラ・マター ヴィンヤード・リザーヴ ピノ・ノワール|ヴィノスやまざき|ワイン通販
チリのワインは「安い ジャンク」な、イメージがあるのですが、テラマターのワインはかつてテレビの番組内の試飲で数十万する超高級ワインに間違えられたこともある実力派。
そんなワインや、先々代の山崎巽が育てた静岡の日本酒を中目黒の飲食店様で出会うことが多いのも、この店が、創業111年の静岡本店のDNAを強く持っているからなのかもいしれません。
中目黒店は地域に密着し、そして4代目の娘が創業した店という想いがどこかにあります。
そんな理由(わけ)で、ファウンダーでもある会長の私も、一番よく行くお店かもしれません。
そして、「いつかは店長」という夢を持って働いているアルバイトも元気に頑張っています。酒屋の原点?のような中目黒店。
是非、美味しいパンを買いながら、お花屋さんを覗きながら、お立ち寄りください。テラマターのような隠れた銘酒にきっと出会えると思います。
ファウンダー
種本祐子