バロッサ・ヴァレーを出て、カラブリア・ファミリー・ワインズの本拠地・グリフィスへ。
カラブリア・ファミリー・ワインズといえば…そう、赤ワイン部門で売上数量NO.1のブラックシラーズや、スリーブリッジズ貴腐ワインで人気の蔵元です!
シドニーからフライトでは、ずっと緑がないエリアを飛んでいましたが、グリフィス空港に近づくと、眼下に緑の森や葡萄畑などが広がってきます。
バロッサで感じた、カラブリア・ファミリーの愚直なワイン造りについて、本拠地グリフィスではもっと彼らのこだわりが知れるのでは…と想い、ワクワクしながらやってきました。
カラブリアのワインってこんなにも美味しいのに、手頃な価格で提供できるのか…常々そんなことを思っていましたが、手入れの行き届いた畑や醸造設備を見ながら、彼らとたくさん話す中で私が感じたカラブリア…の魅力をお伝えします!
①プレミアムワインを造る!という強い想い
グリフィスの街を走ると、日本でも見たことのあるワインメーカーの看板を見かけます。実際、周辺には大量生産で造るワインメーカーが多いそう。
そんな中、カラブリア・ファミリーの方は皆「熟成にも耐えられる、プレミアムワインを造る」ことを目指しているといいます。
主観が入るコンクールの受賞などがゴールではない、あくまでも自分たちが納得し、そしてお客様が素直に美味しいワインを造りたいんだ、と語ってくれたのは、当主のビルさん。
なんて愚直なワイン造りへの想い…!
当主自ら畑に入り、収量を落としたり、灌漑の頻度も減らしたり…多くの試行錯誤の中で掴んだ経験が、さらによいプレミアムワイン造りに繋がっている、と教えてくれました。
ビルさんはとても温かいお父さんなのですが、
「プレミアムワイン造りという野望を語ると、知り合いからそんなの無理だよと言われることは、よくあったよ。でも、それをやるのが私なんだ。」
と笑いながら話してくれた目の奥には、強い強い信念を感じました!
②家族経営だからこそ実現できる
ビルのリーダーシップのもとに、1990年から本格的なワイン造りを行ってきたカラブリア・ファミリー。
その中で、
「ビジネスを大きくすることより、質の高いワインを造ることを常に優先してきた」
とビルは力強く語ってくれました。
でも…
葡萄の樹を植えても実がなるまでも数年かかり、しかも年に一度の葡萄の収穫で経営をしなければならないワインビジネスでは、そんなことはなかなかできないのでは…。
「それは、ファミリー・ビジネス(家族経営)だからこそ、できること。
自分たちだけでなく、関係している農家などもすべて家族経営で、顔が見える関係性なんだ。
すべて家族経営であることに、とても大きな価値がある」
とビルさん。
ああ、そうか、
人がやらないような大きなチャレンジを実現していくためには、自分たちで葡萄造りから行い、自分たちで意思決定できること、って想像していた以上に大切なんだ、シンプルにそう思いました。
家族経営だからこそ実現できる、高いクオリティなんですね!
③伝統と新しいチャレンジの融合
1945年に自家消費のワインを造り始めたとき、まだステンレス製のタンクはなく、コンクリート製のタンクを使っていたそう。
タンクのコンクリートには代々のワインがしみ込んでいて風味をよくしてくれたりするそうで、パワフルで力強い味わいのワインには、今でもコンクリートタンクを使っているそう!
日本の老舗の秘伝たれのようで、初代敬意の造り方に敬意を持ちながら、継承していく素晴らしさがあると感じました。
そんな伝統を守る姿勢に加えて、常に新しいチャレンジを行っているカラブリア。
暖かい土地でパワーを発揮する、ココアや黒い果実の風味がある「ドュリフ」という品種で辛口のプレミアムワインに挑戦したり…
カリニャンやモンテプルチアーノなど新しい品種のチャレンジを行ったり…
世界最高のワインをつくるんだと樹齢100年の古木を自らの手でよみがえらせたり…
可能性を感じたものに対してはとにかく貪欲にチャレンジを続けている姿に圧倒されました!
ワイナリー名にも明確に「ファミリー」と入っているほど、家族経営が彼らの高いクオリティの根幹となっていること、
そして、それをベースにした品質優先の造りが、カラブリアのワインへの多くのお客様からの支持につながっているのだと感じた1日でした。
あれ…この話はどこかで聞いた気が…
そう、ヴィノスやまざきも買付隊長・種本が、家族経営をベースに、ブランドではなく品質・美味しさにこだわって、蔵直ワインを拡大してきたのです。
だから、ビルさんも種本も、そしてファミリーのマイクさんやアンドリューさんも、買付隊も、心から通じ会える家族的な関係になれるんですね!
カラブリアが造るワインが人気となる理由が、クリアにわかりました!
新米 買付隊
SACHI