早いもので今年もあと僅か。
先日近くの教会のハンドベルコンサートを覗いてきました。
クリスマスは教会のミサに参加して、除夜の鐘を鳴らしに神社に行き初詣、そんな人多いかもしれません。
日本人は無宗教と言われる人達も、心の中に目に見えない大きなものや自然に対しての尊敬を持っていると思います。だからこそ、季節の大切な行事を大切にしているのでしょう。
そんな大切な行事の1つがクリスマス。
街のイルミネーションを見て、希望や喜び、そしてシャンパンを飲みながら、敬虔な気持ちになったりするかもしれません。
ヴィノスやまざきの二代目の山崎巽(たつみ)は敬虔な気持ちを持つ商人でした。
無名だった小さな日本酒の蔵を世に出して「日本酒の名伯楽」と、呼ばれました。
今でも、他では手に入らない銘酒を販売させて頂けるのも、先代が蔵元と一緒に酵母の開発からパッケージ作りまで行い、静岡の蔵を育ててきた実績があるからかもしれません。
また、自店で販売するだけでなく、自分達が開発した蔵元を、多くの酒屋さんに紹介してきて、本来はライバルである酒屋さんが、日本酒専門店として繁盛している姿を見て、喜んでいました。
そんな巽は、戦後、酒屋の跡継ぎだった兄が亡くなり、「やりたくなかった」酒屋の後を継ぐことになりました。貧乏で、身体の弱い姉や妹三人の面倒を見ながら、酒屋の仕事をしていました。アルコールにも弱く、「酒屋の仕事が嫌で嫌で仕方がなかった。」と、言っていました。
大学に行って、公務員かサラリーマンになるつもりだった巽でしたが、あるクリスマスの日に、キリスト教の中学に通っていた娘の祐子(現在の会長)が、宗教の時間に書いてきた作文を目にして、人生が変わったそうです。
「仕事とは、自分の利益の為にするのではない。
神様がその人に与えたミッションなのです。
他者のために行う、それが仕事なのです。」
という内容でした。
それから巽は、与えられた酒屋の中で、どんなことができるか真剣に考え、お客様に喜んで頂けるよう、そして大手酒造メーカーの下請けをしていた小さな蔵元たちが活躍できるよう、静岡の地元の酒を世に出すことになったのです。
その後、店が大きくなり有名になっても毎日取り組んでいたことがあります。
それは、朝の掃除と挨拶。
誰よりも早く店に出て、店の前の掃除を何十年もやり続けました。
娘の祐子が、その後ワインで起業し、「山崎酒店」が「ヴィノスやまざき」になっても、社長を引退しても、その掃除は続いていました。
そしてご近所の方や、出勤してくる社員に「〇〇さん おはよう。」と、笑顔で挨拶してくれました。
ヴィノスやまざきの理念は
「Work for others」自分の為にではなく、他者のために働く、
というものです。
それを実践してきた山崎酒店は、小さな酒屋でも、「山崎さんなら大丈夫」と、多くの人にギフトを選んで頂けるようになりました。
商品へのこだわりは勿論、包装は心を込めて。
包装紙や、包装の技術にまでこだわっていました。
包装紙も、巽の義弟の工房(義弟は、駿河紅型の匠芹沢圭介の親戚に当たり、最後の弟子の1人だったらしいです)にお願いして職人が、型から起こした包装紙でした。
三代目になってからは、素晴らしい蔵元のワインを手頃な価格でと、蔵元から輸入したワインも沢山のお客様に購入していただけるようになりました。
三代目の種本祐子と共に、沢山のワインが話題となり全国に店舗を展開するようにもなりました。
しかし、それは、ワインの美味しさだけでなく、先代が、本当にお客様のことを想ってきちんとやってきた土壌の上で、ヴィノスのワインを選んで頂けたのだと思います。
ヴィノスやまざきは、このクリスマス、もう一度「Work for others利他の心」に立ち返り、お店の掃除や、挨拶など、忙しいと怠りがちがちなことを、徹底しようと皆で決めました。
そして、静岡本店だけで使用していた、包装紙を全店舗で使用できるようにします。(日本酒用ということですが、ワインもご希望があれば、お申し付け下さい。)
現在、四代目達は先代達の想いを胸に、このクリスマス、心から感謝の気持ちでお客様をお待ちしています。
年末からのワインフェアは、「感謝ワインフェア」と、決めました。先代への敬意、造って下さっている方への感謝、そしてお客様への感謝の気持ちで、とっておきのワインや日本酒をご用意いたしました。
今、世界では争いの中、大変な想いをしている方も沢山います。平和な社会をクリスマスに祈りながら、そのためには小さな For othersで、お客様に幸せになって頂けるよう、ヴィノスやまざきは心からのお祝いのメッセージを皆様に贈ります。
メリークリスマス
是非、ヴィノスのお店で、お電話で、WEBで、皆様のお役にたてるよう頑張ります。
皆様の上に、大きな祝福があることをお祈りしています。
三代目
種本祐子