時が経つのも早いもので、もう11月も半ばを迎えました。
まもなくボジョレー・ヌーヴォーも解禁となり、これからのシーズンは今まで以上にワインに触れる機会が増えてきますが、ワインのご用意は整っていますか。
ヴィノスやまざきでは12月にかけて、蔵直ワイン30周年を締めくくるべく、さまざまな国・産地から、こだわりのワインが続々入荷いたします。
ぜひ、このチャンスを逃すことなく、蔵直ワインをお楽しみください!
今月のうま得赤白コースは、ボジョレー地区の頑固親父シャテルスが造る赤ワインと南フランスの大人気蔵元ラ・グラーヴが造る白ワインをご紹介します!
赤:ドメーヌ・シャテルス ボジョレー・ルージュ 2023年
白:ドメーヌ・ラ・グラーヴ ヴィオニエ 2023年
ストーリー
赤:ドメーヌ・シャテルス
出会いは2006年夏。ボジョレー地区に職人気質の素晴らしい蔵元がいるらしい。。。
早速、現地を訪問してみると、ぶどう畑にいたのは、日に焼けた一人のぶどう農家、パスカルさん。話始めるとすぐにうつむき加減になり、私たちとは全く目を合わせようとせず、ぶどうの生育状況とか気候状況とか、いろいろと質問をしても返ってくる言葉は、
「はい。。。」
「特に特別なことは何も。。。」
「当たり前のことを普通にやっているだけ。。。」
という具合で、取材中は全く会話が続かず、私たちも本当に困り果ててしまいました。
「本当になんて、頑固な親父なんだ!」
帰りの車での中でポロっと出た、ヴィノス買付隊のパスカルさんに対する素直な感想でした。
でもその一方で、造っているワインはボジョレー地区の赤ワインらしく、ベリー系の果実味がたっぷり詰まっていて、酸味は穏やかでとても飲みやすい味わいでした。
「美味しい!これはまさに職人が造る本物のワインだ!」
それ以来、ヴィノス買付隊は毎年現地を訪問するようになり、いつしか取材中にも優しい笑顔を見せてくれるようになりました。
聞いてみると、パスカルさんが所有するぶどう畑は近隣エリアに散在しており、それぞれが小区画ばかり。
区画毎に収穫されたぶどうは、果実味が豊か、酸味が強い、香り高い、タンニン(渋味成分)が強いなど、28個あるタンクの中で個性豊かなワインに仕上がっていきます。そして、最終的には、アッサンブラージュ(ブレンド、調合)をパスカルさん自ら行います。
「これだ!当店のお客さまのために、世界で唯一のボジョレー・ヌーヴォーを造りたい!私たちにそのアッサンブラージュをさせていただけないでしょうか。」
しばし沈黙の後、パスカルさんの口からは「OK!」のひと言。
こうして、当店スタッフがアッサンブラージュする、頑固親父のボジョレー・ヌーヴォーが誕生しました。
残念ながら、今年は春先の霜の害でぶどう畑が被害にあり、ボジョレー・ヌーヴォーを生産することができないと、早々に決断したところも、頑固親父パスカルさんの匠としてもこだわりを感じました。
商品詳細
赤【ドメーヌ・シャテルス ボジョレー・ルージュ 2023年】
ボジョレー・ヌーヴォー買付けの際に、パスカルさんが造ったボジョレーの赤ワインも、とても美味しかったので、当店でも時々分けてもらっています。今年はパスカルさんが造るボジョレー・ヌーヴォーの入荷はありませんが、同じこだわりと情熱たっぷりのこの赤ワインをお楽しみください!
味わい:ストロベリーやラズベリーのような赤い果物の風味、まろやかな酸味ときめ細かく優しい渋味、とてもスムーズな口当たりです。
蔵元:ドメーヌ・シャテルス
産地:ブルゴーニュ地方ボジョレー地区
品種:ガメイ100%
ペアリング:鶏肉の赤ワイン煮込み、白カビチーズやシェーブルチーズに合わせてお楽しみください。
ストーリー
白:ドメーヌ・ラ・グラーヴ
出会いは今から約20年前。それまで輸入していた南フランス産ヌーヴォーの蔵元との取引が訳あって終了し、ちょうど新しい生産者を探している時でした。
南フランスのラングドック地方といえば、30年前に当店がフランスワインの直輸入をスタートした産地で、このドメーヌ・ラ・グラ―ヴはミネルヴォワ地区でワイン造りをしています。ちなみに30年前から直輸入している、グールガゾーも同じミネルヴォワ地区の蔵元です。
すでに20年近いお付き合いですが、「美味しい本物のワインだけをお客様に届けたい!」とのこだわりから、毎年のように収穫の時期にはぶどうの生育状態を厳しくチェックをするために、現地を訪問しています。
この地域は、モンターニュ・ノワール(黒い山の意味)から吹き込む北風、地中海から吹き込む東風、ピレネー山脈から吹き込む南風が発生することで、乾燥していても湿った風が、雨が降っていても乾燥した風が吹き込むので、健全なぶどうが育ちやすいエリアでもあります。
その中でも、不思議なことに、ドメーヌ・ラ・グラーヴのぶどう畑からは毎年安定した品質のワインが生まれます。当主オロスケットさんに質問すると、「雨はコントロールできないけど、雨が降る前後を予想して、できる限りのことを全力で行っている。」
栽培農家として、きちんとやるできことをやっているからこそ、その安定した素晴らしいワインが誕生するんですね。
そんなオロスケットさんは、地元ではとても有名な方で、南フランス産ヌーヴォーの解禁時期(ボジョレー・ヌーヴォー解禁日の1カ月前)になると、新聞やテレビなどがこぞって取材に来ることも多いそうです。
かつて地元のヌーヴォー・コンクールが開催されていたころは、毎年のように金メダル受賞を受賞していた程の実力の持ち主なので、取材が殺到するのも当然なのかもしれません。
こうして、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁時期になると、オロスケットさんが造った南フランス・ヌーヴォーを楽しみにされているお客様が増え、大人気蔵元の仲間入りを果たしました。
南フランス産ヌーヴォーは、ボジョレー・ヌーヴォーよりも約1カ月早く解禁となるため、当店では毎年船便で輸入していましたが、今年はさまざまな理由で船便では年内入荷が不可能となったため、本当に残念ながら販売を断念しました。
来年までお待ちくださいませ。
商品詳細
白【ドメーヌ・ラ・グラーヴ ヴィオニエ 2023年】
ヴィオニエ種といえば、生育期間は他の品種に比べ長いことから、栽培を敬遠するぶどう農家が多い中、白ぶどうの栽培を得意とするオロスケットさんが、新たに取り組み始めました。初ヴィンテージは2020年。
味わい:ミネルヴォワらしい果実味とヴィオニエの持つ華やかな風味とフレッシュな酸味のバランスが取れた飲みやすい味わいです。
蔵元:ドメーヌ・ラ・グラーヴ
産地:ラングドック地方ミネルヴォワ地区
品種:ヴィオニエ100%
ペアリング:アペリティフ、白身のカルパッチョ、生ハムなどに合わせてお楽しみください。
最後に、次回12月のお引き渡しは、12月15日(日)の開始を予定しております。
入荷の関係で引き渡し開始日や、引き渡し商品の変更が生じる場合がございますので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
それでは、来月の蔵直Ⓡワイン定期便でお会いしましょう!